ばいばい、先生。【短】
「いいから、俺が持つ」
そう言って、その子の荷物を全部持ってあげる先生。
なんで?どうして??
たいした怪我もしてないのに。
その子が頼んだわけでもないのに。
どうして先生が持ってあげる必要があるの・・・
どうして彼氏みたいなことするの・・・
その子も何の疑いもなく、先生の後を嬉しそうについて行った。
あの子は・・・誰なの???
後を追いたかったけど、できなかった。
いてもたってもいられなくなった私は、その日初めて部活を休んだ。
その日から、あの女の子が気になって、何度が一年生の校舎を見に行った。
後輩に用があるふりをして。
そして、あの女の子は一年生の、そしてとくに目立つわけでも、特別可愛いわけでもない、普通の女の子だということを知った。