齧り付いて、内出血
「どうにかしてほしい、じゃなくてどうにかする努力をしてみたらどーよ。」
『うーん…』
「まあ、いいけど。」
『うーん…』
「もううぜーから悩むな。」
そう言って頭を撫でようとしてきたから有難く避けさせてもらった。
だってそっちの手、私の涎で…以下略。
『久世、手洗ってきて。』
「舐めたかと思えば洗えと言ったり、困ったオンナ。」
『洗ってきて。』
「はいはい。」
ソファから立ち上がって洗面所に向かう背中を見送った。
この男、‘久世’
私の変態的性欲を掻き立てる唯一の男。
ニヒルな笑みを浮かべて、酷く無機質で、常に飄々としている男。
私が久世について知っていることは、とても少ない。