齧り付いて、内出血
『く、ぜ…っ。』
「あ、それ可愛い。」
なんでそんなに余裕なんだろ。
久世のペースで進んでるから、かな。
『…くぜっ……、』
可愛いと言われたから呼んだんじゃない。
断じて違う。
けど、この私に‘可愛い’なんて形容詞を使うのはこの男だけ。
深い意味なんてないのだろうけど、ひとりくらい言ってくれないとただでさえ絶滅危惧の可愛さが、マイナスまでいってしまいそう。
そんな甘い刺激を与えてくれるのがこの男。
「いい?」
『もう手、服の中に入ってきてるくせに。』
「煩い。」
服の中で冷たい手が動くたびにぶるりとからだが震えてしまう。
それを見てか、久世はクックッと静かに笑ってる。