齧り付いて、内出血
「お前、可愛い云々を気にしてるようだけど、男がみんな‘かわいらしい’女が好きだと思ったら大間違いだ。」
『そうなの?』
「そ、俺は昔から強い女がタイプだ。」
強い、女。
『じゃあ私は久世と恋をしてもかわいらしくなろうとしなくていいんだね。このまま突き進んでいいんだね。』
「おー。俺が恋人である限りお前の夢に何の支障もきたさない、ってこと。」
そして、久世は力説した。
「車の中でお前と話した時、信じられないくらいタイプだと思ったよ。あれはビビッときたなんてもんじゃねえ、稲妻を落とされたみてえだった。」
「本当、こわい女。」
にやり、ニヒルな男が綺麗に笑った。
《第1部・完》