齧り付いて、内出血
手に水が入ってるらしいマグカップにちびちびと口をつける頼。
ベッドの端に座って飲む彼女の喉が動くのを見つめていた。
うわー…なんかこれ、えろい。
『な、に?』
視線に気が付いたらしい。
「俺にも水。」
『ああ、はいどーぞ。』
カップを差し出す頼に俺は言った。
「ちげえよ、口移し。」
はあ?とでも言いたげなのを無視して、仰向けになってスタンバイ。
『頭大丈夫?』
「そこそこ。」
『私がやると思うの?』
「思う。」
嘘、思わねえ。
ふざけただけだ。
もちろんしてくれたらなー、という希望はあるものの、そんな確率は0%に等しいので、俺の頼が喉を潤して腕の中に戻ってくるのを目をつぶりながら待っていた。