想思相愛
哉太の真っ直ぐな瞳で
僕を見つめる。

愛おしい…

今日だけは……

「いいよ、遠い所に連れてって」

「おう」


お母さん、お父さん
今日だけは、許してね。

僕は哉太に連れられて
電車へと乗り込む。

「なあ、どこいくん?」

「秘密!」

「教えてーやあ」

「着いてからのお楽しみや!」

「はい、はい」

電車の窓から見える
風景が都会から離れ
だんだん田舎へと
変わって行く。

「おりるで」

「うん」

「やっと着いたー」

「ここ何処?」

「俺の思い出の場所」

「哉太の?」

「うん。俺なあ、4歳まで
ここに住んでてん」

「えっ!!そうなん!?」

「おう。みっちゃんおるかな?」

「みっちゃんて誰?」

「よく遊んどった友達」

「そうなんやあ」

「うん!」

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