雨が降ったら恋の予感


…いつの間にか、私は夢の中にいた。


「お母さーん、置いていかないで!」

幼かった私には、またお母さんがにこにこして戻ってきてくれるんじゃないかという気持ちが大きかった。

だけど、あの日から、一度も戻ってきたことはない。

その日は、ずっと晴天だったのに、なぜか、お母さんが出ていった瞬間から雨が降ってきた。

それ以来、わたしは、雨の日が大嫌いになった。

そして、人を心から信用する事が、怖くなった…
< 6 / 47 >

この作品をシェア

pagetop