リミットボイス
ストレス。そんなものでトーンが変わるのか。私は尋ねた。

「助けられるの?」

「うん。でも、そのためにはお前の力が必要だ」

鈴原水樹が私を見つめた。私に何ができるのだろう。

「お前はクロマーゼっていう人種なんだ。特殊な力を持ってる。その力を使えばあいつを救える。殺さなくて済む」

全く内容が理解できなかったが、今はそんな事考えている暇はないと思った。私は拳を握った。

「わかった...やってみる」

鈴原水樹がフッと笑った。私の肩を抱き寄せ、相手に指をさした。

「中央に黄緑の塊が見えるのわかるか?」

私は目を凝らした。あった。小さな石みたいな黄緑の塊だ。
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