リミットボイス
「あれ、何?」

「あれが本来あいつの持ってるトーン。あれをもう一度蘇らせたら、あいつは助かる」

そのトーンは少しずつだが色が濁ってきていた。このままでは真っ黒になってしまうだろう。

「そこで。俺があいつを引き付ける。その間にあのトーンに向かって手をかざすんだ」

「それだけでいいの?」

「あとは俺に任せろ。行くぞ!」

鈴原水樹が素早く相手の背後に回り込んだ。唇に人差し指を当てる。

「その姿、変えてやるよ。ボイスッ!!」
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