リミットボイス
首をかしげた時、隣を通りかかった人の腕が頭に当たった。コツ、と軽い音がした。

「あ、悪い」

「あ...ううん」

それは先月転校生としてやって来た男子だった。名前は鈴原水樹(すずはらみずき)。男子とはみんな仲良しで、とても綺麗な顔立ちをしている。

声の色はサファイアみたいな透き通った青。あんな綺麗な声の色は見たことない。始めて見た時は驚いた。

「鈴原、馴染むの早かったよね」

「ん?クラスに?」

麻友は頷いた。確かに一週間足らずで男子と意気投合していた。恐ろしい奴だ。

「まあ、顔もいいしね」

「そうだねぇ」

麻友はウンウン頷きながら言った。
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