苦恋症候群
私の同期はもともと15人いたけれど、ちらほら辞めてしまって今は9人だけ。
その中でも彼女、深田麻智とは何かとウマが合い、休日にこうしてよくふたりでランチや買い物に出かけていた。
けどまあ、今回のランチはわりと久しぶりだ。少し前に麻智に彼氏ができてから、しばらくタイミングが合わない時期が続いたんだよね。
さすがに、それで麻智のカレをうらみがましく思ったりはしていない。1回だけ会ったことあるけど、彼氏さんとってもイイ人だったし。
綺麗に磨かれた爪でアイスティーの入ったグラスをいじりながら、麻智がイタズラっぽく笑う。
「さとり、恋人候補に三木くんどお? あんまり愛想振りまくタイプじゃないけど、安心感あるってお客さんにも評判いいよ。それになかなかイケメンでしょー?」
「……無理でしょ。ていうか、彼女いるんじゃない?」
「んーん、今はいないって本人が言ってた」
麻智はそう言うけど、嘘っぽいなあ。ああいういかにもモテそうな男子って、自然とイロメガネで見てしまう。
食後に頼んだいちごスムージーのストローをもてあそびつつ、2日前に見た顔を思い出した。
『なんですか?』
まあ正直、顔は悪くなかった。
背も高いし、細すぎなくて、スーツが映える体つきで……。
『虚しいなって。そう思っただけです』
け、けどアレは、絶対性格悪いと思う!
性格悪いオトコは、いくら見た目良くても私的に論外!!
ぐるぐると勢いよくストローを回す私の心境を知ってか知らずか、目の前で頬杖をつく麻智が苦笑する。
「まあ、麻智の好みは真柴課長タイプだもんねえ。三木くんとはほど遠いか」
彼女が口にした『真柴課長』というワードに、思わず過剰に反応しそうになってしまう。
けれど私はぐっと顎を引いてから、わざとらしいくらいの明るい声を出した。
その中でも彼女、深田麻智とは何かとウマが合い、休日にこうしてよくふたりでランチや買い物に出かけていた。
けどまあ、今回のランチはわりと久しぶりだ。少し前に麻智に彼氏ができてから、しばらくタイミングが合わない時期が続いたんだよね。
さすがに、それで麻智のカレをうらみがましく思ったりはしていない。1回だけ会ったことあるけど、彼氏さんとってもイイ人だったし。
綺麗に磨かれた爪でアイスティーの入ったグラスをいじりながら、麻智がイタズラっぽく笑う。
「さとり、恋人候補に三木くんどお? あんまり愛想振りまくタイプじゃないけど、安心感あるってお客さんにも評判いいよ。それになかなかイケメンでしょー?」
「……無理でしょ。ていうか、彼女いるんじゃない?」
「んーん、今はいないって本人が言ってた」
麻智はそう言うけど、嘘っぽいなあ。ああいういかにもモテそうな男子って、自然とイロメガネで見てしまう。
食後に頼んだいちごスムージーのストローをもてあそびつつ、2日前に見た顔を思い出した。
『なんですか?』
まあ正直、顔は悪くなかった。
背も高いし、細すぎなくて、スーツが映える体つきで……。
『虚しいなって。そう思っただけです』
け、けどアレは、絶対性格悪いと思う!
性格悪いオトコは、いくら見た目良くても私的に論外!!
ぐるぐると勢いよくストローを回す私の心境を知ってか知らずか、目の前で頬杖をつく麻智が苦笑する。
「まあ、麻智の好みは真柴課長タイプだもんねえ。三木くんとはほど遠いか」
彼女が口にした『真柴課長』というワードに、思わず過剰に反応しそうになってしまう。
けれど私はぐっと顎を引いてから、わざとらしいくらいの明るい声を出した。