苦恋症候群
ハナさんがくれたワインとおつまみは絶品で、私と三木くんは雑談しながら、調子よくグラスを空けていった。
明日が土曜日というのも、気兼ねなくアルコールを摂取できた要因だったのかもしれない。プレゼントのワイン1本だけじゃ物足りなくて、私は戸棚から別のお酒を取り出してきた。
そのお酒用のグラスも用意してテーブルに置くと、三木くんがふっと吹き出す。
「ふは、薩摩切子とか……めっちゃ本格派ですね、森下さん」
「そ、それは、友達と九州に旅行に行ったとき、自分用に買ったおみやげなの!」
「はは、いい趣味してますよね」
小ぶりで綺麗なブルーのそれを部屋の蛍光灯に透かしながら、彼は笑って言った。
やっぱりなんだか馬鹿にされてるような、子ども扱いされているような気がして、持っているそのグラスに有無をいわさずお酒を注ぎ入れる。
「ハイ三木くん、日本人なんだから、日本酒飲みなさい!」
「なんですか、その理屈」
私の言葉にくつくつと笑い、それでも素直に三木くんは日本酒を口に含んだ。
美味いです、とまっすぐ私に笑顔を向けるから、どうしていいかわからなくなる。
まずいなあ、私。
もう、この気持ち消せそうにないよ。
明日が土曜日というのも、気兼ねなくアルコールを摂取できた要因だったのかもしれない。プレゼントのワイン1本だけじゃ物足りなくて、私は戸棚から別のお酒を取り出してきた。
そのお酒用のグラスも用意してテーブルに置くと、三木くんがふっと吹き出す。
「ふは、薩摩切子とか……めっちゃ本格派ですね、森下さん」
「そ、それは、友達と九州に旅行に行ったとき、自分用に買ったおみやげなの!」
「はは、いい趣味してますよね」
小ぶりで綺麗なブルーのそれを部屋の蛍光灯に透かしながら、彼は笑って言った。
やっぱりなんだか馬鹿にされてるような、子ども扱いされているような気がして、持っているそのグラスに有無をいわさずお酒を注ぎ入れる。
「ハイ三木くん、日本人なんだから、日本酒飲みなさい!」
「なんですか、その理屈」
私の言葉にくつくつと笑い、それでも素直に三木くんは日本酒を口に含んだ。
美味いです、とまっすぐ私に笑顔を向けるから、どうしていいかわからなくなる。
まずいなあ、私。
もう、この気持ち消せそうにないよ。