苦恋症候群
「悪いんだけど、これ総務の大西さんに渡しておいてもらえる? 急かされてた書類なんだけど、これからすぐ会議で」
「わかりました」
「ごめんね、頼みます」
そう言い残し、部長は慌ただしくオフィスを出て行った。
山岸部長は、いつも忙しそうだ。私はひとつ息をついてから、椅子の背もたれにかけていたダークグレーのカーディガンを取って袖を通す。
ちょうどいいから、書類を渡しに行きがてら息抜きだ。
「ちょっと、総務に行ってきます」
「はーいいってらっしゃーい」
私と部長のやり取りを聞いていたらしい寺田課長が、苦笑しながら片手を振ってくれた。
それに会釈を返し、ドアノブを回して肌寒い廊下に出る。
「わかりました」
「ごめんね、頼みます」
そう言い残し、部長は慌ただしくオフィスを出て行った。
山岸部長は、いつも忙しそうだ。私はひとつ息をついてから、椅子の背もたれにかけていたダークグレーのカーディガンを取って袖を通す。
ちょうどいいから、書類を渡しに行きがてら息抜きだ。
「ちょっと、総務に行ってきます」
「はーいいってらっしゃーい」
私と部長のやり取りを聞いていたらしい寺田課長が、苦笑しながら片手を振ってくれた。
それに会釈を返し、ドアノブを回して肌寒い廊下に出る。