苦恋症候群
これは、罰なんだろうか。“仲の良い姉と弟”という関係を壊そうとした、自分への天罰なのだろうか。
自分勝手なあたしに、なんてお誂え向きな、最期。
ああ、それでも。
久しぶりに彼と過ごした時間は、苦しくて、切なくて。
だけど、しあわせだった。
久しぶりに一緒にごはんを食べたことも、久しぶりに、遥の寝顔を見られたことも。
全部、うれしかったの。
遥、ごめんね。最後に自分に向けられた表情があんな苦しげなものなんて、切ないなあ。
どうせなら、笑顔が見たかった。
でも、ああ、どうしよう。
あたしがこんなことになって、あのやさしい子は、きっと自分を責めてしまう。
それは、嫌だな。心残り、だな。
「……ッ雪妃!!!」
完全に意識が途切れる直前、あたしの名前を呼ぶだいすきな声が聞こえたような気がしたのは、ただの願望だったのかな。
『あたし、遥くんみたいな弟ができるの、すごくうれしいな』
『俺も、雪妃ちゃんがお姉ちゃんになるのうれしい!』
……遥、だいすきよ。
今度はまた、別のいのちで
きみに、会いたい。
・
:
*
自分勝手なあたしに、なんてお誂え向きな、最期。
ああ、それでも。
久しぶりに彼と過ごした時間は、苦しくて、切なくて。
だけど、しあわせだった。
久しぶりに一緒にごはんを食べたことも、久しぶりに、遥の寝顔を見られたことも。
全部、うれしかったの。
遥、ごめんね。最後に自分に向けられた表情があんな苦しげなものなんて、切ないなあ。
どうせなら、笑顔が見たかった。
でも、ああ、どうしよう。
あたしがこんなことになって、あのやさしい子は、きっと自分を責めてしまう。
それは、嫌だな。心残り、だな。
「……ッ雪妃!!!」
完全に意識が途切れる直前、あたしの名前を呼ぶだいすきな声が聞こえたような気がしたのは、ただの願望だったのかな。
『あたし、遥くんみたいな弟ができるの、すごくうれしいな』
『俺も、雪妃ちゃんがお姉ちゃんになるのうれしい!』
……遥、だいすきよ。
今度はまた、別のいのちで
きみに、会いたい。
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