苦恋症候群
昨夜の記憶は、ちゃんとある。
昨日は職場の同期たちと、久々に集まっての新年会だった。
「えっ、マジか!!」
がやがやと騒がしい居酒屋の店内で、一際大きな声が響いた。
コンロにかけられた土鍋から野菜を取ろうとしていた手を止めて、そちらを見る。同期のマサキくんが、生ビールのジョッキを握りしめたままぽかんと口を開けていた。
「三木おまっ、彼女できたの??!」
「うん」
「しかも相手、事務部の森下さんだろ??! うらやましすぎ!!」
「事務部と審査部って、そんな関わりある?! なにそれ、何がどうなってそうなったの!!?」
「まあ、いろいろ」
周りを固める同期たちの質問にしれっと答えながら、渦中の三木さんは目の前にあるお鍋でマイペースに豚ロースをしゃぶしゃぶしている。
相変わらずな彼の様子に、あたしの隣にいた美菜子(みなこ)までもが箸を置いて食いついた。
「なによミッキー、いろいろって! さっき私が食べようと狙ってたユッケと一緒に吐けよコラー!!」
「美菜子、汚い」
「うっさいわよヤマ!!」
辛辣な言葉をかけたヤマくんにしっかり釘を刺し、美菜子はさらに追求するためか三木さんたちがいるテーブルの一角に移動した。
わいわいしている4人とやはりペースを崩さない三木さんを、一度ちらりと見てから。今度は、お刺身の大皿に手を伸ばす。
昨日は職場の同期たちと、久々に集まっての新年会だった。
「えっ、マジか!!」
がやがやと騒がしい居酒屋の店内で、一際大きな声が響いた。
コンロにかけられた土鍋から野菜を取ろうとしていた手を止めて、そちらを見る。同期のマサキくんが、生ビールのジョッキを握りしめたままぽかんと口を開けていた。
「三木おまっ、彼女できたの??!」
「うん」
「しかも相手、事務部の森下さんだろ??! うらやましすぎ!!」
「事務部と審査部って、そんな関わりある?! なにそれ、何がどうなってそうなったの!!?」
「まあ、いろいろ」
周りを固める同期たちの質問にしれっと答えながら、渦中の三木さんは目の前にあるお鍋でマイペースに豚ロースをしゃぶしゃぶしている。
相変わらずな彼の様子に、あたしの隣にいた美菜子(みなこ)までもが箸を置いて食いついた。
「なによミッキー、いろいろって! さっき私が食べようと狙ってたユッケと一緒に吐けよコラー!!」
「美菜子、汚い」
「うっさいわよヤマ!!」
辛辣な言葉をかけたヤマくんにしっかり釘を刺し、美菜子はさらに追求するためか三木さんたちがいるテーブルの一角に移動した。
わいわいしている4人とやはりペースを崩さない三木さんを、一度ちらりと見てから。今度は、お刺身の大皿に手を伸ばす。