苦恋症候群
「真柴課長、知り合いのお通夜に出席するとかで……さっき早退して、今日はもう戻らないみたい」
「あ……そうなんですね」
うう、せっかく課長とお話しできるチャンスだったのに……残念。
こっそりため息をついてから、真柴課長のデスクにA4サイズの茶封筒を置く。
「すみません、ここ置いとくので。明日課長が来たら、事務部からの書類だって伝えておいてもらえますか?」
「わかったわ~。あ、森下さんコレあげる」
「はい?」
大西さんが握りこぶしを突き出してくるから、きょとんとしながらも右手のひらを差し出した。
ころん、とその手に乗せられたのは、キャンディみたいに両端をねじって包んである、ひとくちサイズのチョコレート。
思わずパッと、顔がほころぶ。
「わーうれしい! ありがとうございます大西さん!」
「うふふ、どういたしまして」
ニコニコ笑顔のまま大西さんや他の総務の人たちにも挨拶をして、部屋を出た。
ふふふやったあ。この時間の糖分補給大事! 4時って、1番やる気なくなるからなあ。
思わぬところからの思わぬプレゼントに私は少しだけ得したような気分で、機嫌よく廊下を歩いたのだった。
「あ……そうなんですね」
うう、せっかく課長とお話しできるチャンスだったのに……残念。
こっそりため息をついてから、真柴課長のデスクにA4サイズの茶封筒を置く。
「すみません、ここ置いとくので。明日課長が来たら、事務部からの書類だって伝えておいてもらえますか?」
「わかったわ~。あ、森下さんコレあげる」
「はい?」
大西さんが握りこぶしを突き出してくるから、きょとんとしながらも右手のひらを差し出した。
ころん、とその手に乗せられたのは、キャンディみたいに両端をねじって包んである、ひとくちサイズのチョコレート。
思わずパッと、顔がほころぶ。
「わーうれしい! ありがとうございます大西さん!」
「うふふ、どういたしまして」
ニコニコ笑顔のまま大西さんや他の総務の人たちにも挨拶をして、部屋を出た。
ふふふやったあ。この時間の糖分補給大事! 4時って、1番やる気なくなるからなあ。
思わぬところからの思わぬプレゼントに私は少しだけ得したような気分で、機嫌よく廊下を歩いたのだった。