あなたに出会えて....
遊郭にて、
「歳三........」
「なんで私たちが............」
「「芸妓姿にならなきゃいけないのよ!」」
「仕方ねえだろ。芹沢さんの希望なんだから。」
「でも芸妓姿は........」
「やっぱり........」
「「いやーーー!」」
「うるせえ!我慢しろ!なんで女の癖に嫌がる?綺麗な着物着れてんだから嬉しいはずだろうが。」
「てめえは知らねえだろうがこの着物すげえ重いんだよ分かるか?あ?」
「着物だけじゃねえぞ?カツラだって重いんだ。楽しくも嬉しくもなんともねえ。」
「....分かったからその格好で汚ねえ言葉はやめてくれ。」
「分かってくれれば宜しくてよ。オホホホホ。」
扇子でしっかり口元を隠して話した。
「オホホホホホホホ。琴音はん、それ京弁やないどすえ?」
「オホホホホホホホホ。舞姫はんもどこかおかしくてよ。」
「オホホホホホホホホ。俺の前からさっさとどいてくれても宜しくてよ。」
「................」
「................」
「嫌だ舞姫はん、ちょっとこれ見ておくれやす?さっきの男色はん見て鳥肌立ってしもうた。」
「あら、可哀想に。うちかて吐き気が襲うてきたんよ。」
「........おとこ........いろ....」
「「クスクスクスクス」」
扇子でしっかり口元を隠して笑った。
扇子でね。
扇子で。
「おめーら........そろそろ芹沢さん達が来るから店出て出迎えた方がいんじゃねえか?」
土方は怒りで震えていた。
「さぁ舞姫はん、行きまひょか。」
「まさかとは思うけど今の京弁じゃないよね?」
「あれ?違ってた?」
「....................」