あなたに出会えて....
「ん……」
目を覚ますと見慣れない木造の天井が目に入った。
「は?ここどこ?」
「おぉ、目が覚めたか。さっきは少し手荒な真似をしてすまなかった。」
「あーーーっ!さっきの汚い男ぉぉぉぉぉぉぉお!」
「失礼な!僕の名前は桂小五郎。君の名前は?」
「かつ…ら、…こごろ……」
って、木戸孝良のことだよね?
この人、長州藩士ですよね?
敵ですよね?
やっちまったな。
これからは1人で買い物に行くのをやめよう。
「おい、名前。」
「あ、そっか。私は……」
ちょっと待ってよ?
ここは本名を名乗るべき?
偽名の方がいいよね?
「偽名とかはなしだぞ?」
「え”っ…」
「お前、分かりやすい。」
仕方ないか。
「……黒崎琴音。」
「琴音か…」
なんだ、琴音か…って。
「あの…2つ質問していいですか?」
「なんだ」
「私…拉致られちゃった感じですか?」