あなたに出会えて....
「ケホッケホッケホッケホッ……そろそろ女中辞めないとな……」
琴音は夕餉を作り終え運ぶと副長室へ向かった。
スパンッ
「うるっせえ!静かに開けろっっっっ!」
「歳三、私女中辞める」
「はぁ!?つーかそれ業務連絡じゃねーか?」
「おっと。ゴホンッ。副長、私女中辞めます」
業務連絡の時は副長呼びで敬語使わないといけないの忘れてた。
「何故だ」
「総司の看病、一番組組長代理、女中を両立するのはムリがあります」
「うーん……それもそうだな。だが総司が発症してから今までずっと出来ていたじゃないか。何故いきなり?」
流石だわねー。
痛いとろをついてくるわ。
「…失敗する前に辞めておこうと思いまして……」
「ならば失敗してから辞めてもらおう」
「え、それはちょっと……ケホッケホッケホッケホッ……ゲホッゲホッ、ゲホッゲホッゲホッ…………」
「お前……その咳………」
「………………嫌だなー!只の風邪だよ!季節の変わり目だしよくあることだよーー!」
「……今の咳は総司のしている咳とそっくりだったが」
「気のせいだって!……っ!」
すると突然土方の手がおでこに伸びてきた。
「少し熱もあるな……吐血はしたか?」
「してない………労咳じゃないてっば!!」
「嘘付くんじゃねえっっっ!!!労咳の症状じゃねえか!!」
「だから違うの!!!!兎に角…女中は辞めるから」
スパンッ
「…………はぁ」
バレちゃったな……。
仕事……外されないといいけど。
これから忙しくなる。
頑張らないと。
休んでる暇はない。