あなたに出会えて....
「…っ…山南敬助……あんたに…っ…切腹を申し付ける…」
「はい」
そう言った山南さんの表情はどこか清々しかった。
「山南君……っ……山南さんっ……何故こんなことを……」
「もう疲れてしまったんですよ」
穏やかに笑う山南さんを誰も見ることが出来なかった。
「……っ……山南さん……うぅ………歳……なんとかできないのか…?」
「隊士達の間でも山南さんのことは広まっている。それに脱走は局長だろうが総長だろうが切腹だ」
「でも土方さん!」
「でももだけどもねぇ。山南さんは…切腹だ」
そう言うと土方はその場を去った。
地面に一つ、雫を落として。
「っ!……畜生!」