あなたに出会えて....



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「おや総司」



「山南さん……」



「……ははは、そんな顔で見ないでくれ…」



「何で……笑っていられるんですか…?」



「何故でしょうね…。私は…死ぬまで笑っていたいです」



「死ぬまで……」



「はい」






「後悔…してないんですか?」


「もちろんです。あるとすれば……最後、総司に辛い仕事を任せてしまうことですかね…」



「っ!何故僕を選んだのですか?僕は…仲間を斬るために剣を習ったわけじゃないんです!」


「すいません。私は総司でなければ嫌なんです。やって…くれますか?」




「山南さんはずるいです……。僕が断れないのを知っていて……そんな…そんなことを……っ……」



「ははは、すまないね」



「……山南さん…僕は…総長の山南さんよりも試衛館の頃の山南さんの方が大好きでした。時に厳しく、時に優しい兄のような山南さんが大好きでした」



「私もですよ。一番組組長の沖田総司よりも試衛館の頃の…まだ子供だった頃の沖田総司が大好きでした。でも…今の大人の沖田総司も私は大好きです」



「………山南…さん…っ…」




「これこれ…武士が泣いてはいけませんよ」




「山南さんさんだって…っ……泣いてるじゃないですか…っ……」




「歳を取ると…涙もろくなるんですよ……っ…」




「……っく……」




「総司…そろそろ戻りなさい」




「……は…っ…い」




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