あなたに出会えて....
平助と舞姫の部屋は私と総司の隣の部屋だ。
だから二、三歩で着いてしまう。
舞姫は寝起きが悪いんだよなぁ。
襖を蹴り破って出てきたりしたらどうしよう。
普段は穏やかなのに....。
私は意を決してそーっと声をかけた。
「まーいー?起きてるー?」
スパンっ!
「おはよーう☆琴音!」
「........貴女誰?私の舞姫に何をした。」
物凄い早口で言った私に舞姫はゲラゲラ笑っている。
「どうしたの琴音~?何か変だよ~!ふふ♪」
全身に悪寒が走りましたよ。
そしてお前が変だ。
「舞姫、土方さん起こしに行こう?」
「いいよぉ~」
舞姫の変貌に少し警戒しながら私達は
土方さんの部屋へ向かった。
「土方さーん?朝ですよ~。」
「................」
「土方さぁぁぁぁぁん!」
「................」
「開けますよー?」
スー。
「「............................」」
私も舞姫さんも絶句です。
中には布団から転がり落ち、床に沢山散らばっ
た紙の上で寝ている土方がいたからだ。
おまけに着物ははだけまくりだ。
「土方さん!朝ですよ!」
「............」
体を揺すってみたが効果なし。
「舞姫~何か土方の弱点とかないのうー?」
私がそう言うと舞姫は「あるよ?」とニヤリと
イタズラっこのような笑を見せて言った。