あなたに出会えて....
宿に着くと晋作を布団に寝かせた。
すると晋作は布団の横にあった桶いっぱいに血を吐いてしまった。
「…おもしろき
こともなき世を
おもしろく…」
「晋作……」
それは晋作の辞世の句だった。
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それから3週間程過ぎ、9月に入った。
晋作の病状は悪化するばかりで今は布団から起き上がれない程だった。
「……こと……ね……みずをくれ……」
「はい」
「俺も……漸く……とし……まろや……げん……ず……い……達に……会える…な……」
「晋作……そんなこと…っ……言わないでよ…」
「…わるぃ……おまえは……俺が
…もし……しんだら……京に……帰って……いいぞ…」
「じゃ……まだまだ…帰れないね…っ…」
「……ふっ……、……そ…だな……。こと…ね……おまえは……生きろ…。そし…っ…て……ゲホッゲホッ……しあわせに……なれ……よ……」
「しん……さく……?………うぅ……晋作!……起きてよぅ……!……起きて…っ……!」
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晋作は27歳の若さで人生の幕を下ろした。
新しい世を見ることなくーーーーーーーー……。