あなたに出会えて....
「………琴音がここに来てくれなければ私達は出会うことはなかった。確かに苦しいことも今までにたくさんあった。でも私は琴音がいてくれたからどんなに辛いことも乗り越えらた。そう思っているのは…私だけですか?」
「……………」
「舞姫たちが死んだあの日から君の時間は止まっている。この時代で生きるには前に進まなければいけない。私達は既に前を向いています。酷なことを言っているのは分かってます……。でも、もう誰も琴音のそんな姿は見たくないんですよ。君はもう前を向いているつもりかもしれない。でも…まだ心の片隅に舞姫や平助の事が残っているんじゃないですか?」
「………っ……ふぅ……」
「よしよし…」
その後、総司はずっと私を優しく抱き締めてくれていた。
「……琴音?…寝ちゃいましたか」
「総司…」
「あ…土方さん…」
「………………」
「…………………」
「あー、その、琴音は大丈夫か?」
「………私達が思っていたよりも琴音は辛い思いをしていたみたいです」
「そうか…。舞姫達の事をまだ引きずっているのは分かっていたが…」
「もっと……もっと前からですよ…」
「あ?」