あなたに出会えて....
舞姫は琴音が連れ去られるのを見届けると土方に言った。
「歳三、琴音も一応女子なんだから蔵はやめておきなよ。」
「平気さ。明日の晩には出してやるから。」
「........私は歴史を知っている。」
「それがどうした?」
「私は歴史を知っているのにも関わらず何も変えられない。歴史の波に流されている。琴音まで傷つけた。」
「お前は悪くない。無理に歴史を変えようとしなくてもいい。歴史なんて気にしてねえで自分の思ったようにやればいい。」
「簡単に言うけど歴史を変えるにはそれなりの代償も伴うはず。それなのに琴音は自分の思いをいつも最優先にさせて........」
「........お前も辛いな。頑張れよ。」
「うん........」
土方は舞姫の頭をポンポンと叩くと部屋を出た。