忘れん坊サンタと雪だるま
自分のせいで、鐘が鳴らなかった気がして不安で不安で溜まらなかったのです。




『顔を上げておくれ、雪のボウヤ』

そう呼び掛けたのはサンタクロースでした。口調も表情もとても穏やかで優しいものでした。



――えっ?

雪だるまは言われた通り顔を上げました。



『この鐘は、もう長い事働いてのぅ……今では、音が鳴らなくなってしまったのだよ。
< 29 / 46 >

この作品をシェア

pagetop