それでも私は恋をする
3人で、揃ってカツ丼定食を注文した。上北さんは、ライスを大盛りにしてガツガツ食べる。



男子が、ガツガツ食べる姿…結構好きやったりする。



「ところで素子ちゃん!十和田さんとはどうなったん?」



ぶっ…と、お茶を吹き出しそうになった。みっ!三沢さん!上北さんもいてるのに…。頬がみるみる赤くなっていくのが、自分でもわかった。



「えっ!?黒石さんって、十和田さんのこと、好きなん…?」



「…ちっ…」



違います…と、慌てて手を左右にぷらぷらと振った。



「なかなか心を開かない素子ちゃんが、ドア全開なんやから、ええ感じなんちゃうの!?」



「別に…そんな…。たまたま隣の席やから…」



「あの人は、やめたほうがいいと思う」



上北さんは、それだけ言うと、伝票を手にして席を立った。



私は、三沢さんと顔を見合わせてから、慌てて上北さんの後について行った。



「ごちそうさまでした」


上北さんの言葉を気にしつつ、3人で職場に戻った。



< 22 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop