それでも私は恋をする
「………」



…三沢さんも私も言葉を失った…。



私は、暇つぶし?
あわよくばセックス?
女は…消耗品?



「最低…やろ?」



「最低…って言うか…ひくわ!どの面さげてそのセリフ吐いてるねん!!オマエ鏡、見たことあるんか!」



三沢さんが怒りながら、唐揚げを頬張った。



「…弘前さんが…かわいそう…」



私は『暇つぶし』程度で終わったけれど、十和田さんを本気で愛して、心も体も捧げている弘前さんが気の毒で仕方がなかった。



「弘前さんは『本命』やから、本気なんちゃう?だって、大手メーカー辞めてまで、彼女を追いかけてきたんやから…」



そうやけど…。でも、女子に軽々しく声をかけて『あわよくばセックス』なんて考えてる男子が『本気』で人を好きになるんやろうか?



当分、私は恋なんかできない。



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