大好きな彼女
言うか言わないか迷ったけど・・・
あたしはいうと決めた。
「あたしの彼氏・蓮っていうんだけど・・・
蓮は優しくてたまにすごく甘えてくるの」
「・・・ふ〜ん」
冷たく返された返事。
あたしはすごく腹が立った。
蓮をバカにされているような気がして・・・
でもそんなイライラを隠す。
バレないように・・・
「当たっているかもね!その蓮っていう人が言っていること」
「どういう意味?」
あたしは聞いたけど、平田くんは答えてくれなかった。
人差し指を立てて口元に当て、「シーッ」と言った。
秘密みたいだ。
「よしっ、そろそろ帰るか・・・」
えっ・・・?
あたしは平田くんに手首を掴まれて、生徒会室から
外へ出た。
「待って・・・平田くん。あたし、蓮を待ってるの」
「体育祭の練習?」
「そうみたいだね」
まぁ、あたし、サボっちゃったし・・・。
「今日は遅くなるらしいよ?」
「えっ?・・・」
「一緒に帰ろ?」
あたしは平田くんのペースに乗せられ、手首を掴まれたまま
靴箱へと向かった。
その瞬間を蓮に見られているとは知らずに・・・