大好きな彼女
「はぁぁ、ほんと無自覚」
また、頬を膨らませて拗ねた。
だから、そんな顔しても、可愛いだけだって。
「凛花ー、そんな顔しても無駄ですよー」
「何で?・・・」
「可愛いだけだからー」
「可愛くないもん」
だから、可愛いって・・・。
無自覚すぎるのにも程があるだろ・・・。
何て話していると、花火大会まで15分と
迫っていた。
「凛花ー、そろそろ行く?」
「花火?いいところに?・・・」
「うん」
さっきまで触れられなかった手も今は
繋げれる。
だから、ギュッと手を握り締めて歩きだす。
- 相変わらず小さい手。