大好きな彼女

 「はぁぁ、ほんと無自覚」

 また、頬を膨らませて拗ねた。
 だから、そんな顔しても、可愛いだけだって。

 「凛花ー、そんな顔しても無駄ですよー」

 「何で?・・・」

 「可愛いだけだからー」

 「可愛くないもん」

 だから、可愛いって・・・。
 無自覚すぎるのにも程があるだろ・・・。

 何て話していると、花火大会まで15分と
 迫っていた。

 「凛花ー、そろそろ行く?」

 「花火?いいところに?・・・」

 「うん」

 さっきまで触れられなかった手も今は
 繋げれる。
 だから、ギュッと手を握り締めて歩きだす。

 - 相変わらず小さい手。

 
 
< 54 / 270 >

この作品をシェア

pagetop