大好きな彼女

 はぁぁぁ。
 今日の練習は一段と疲れるわ―。

 トラック5周の後にバトンパス、で、
 スタートダッシュの練習とか・・・きついだろー。
 ・・・そこまで燃える必要ねぇーっつーのー。

 「蓮ーーーー、疲れた―」

 「俺だって一緒だっつーの」

 「結構体力があるやつでも疲れるもんなんだな」

 「いやいや、俺だって一応人間ですから?」

 「んなの、わかってるっつーの」

 あぁ・・・こんな会話のやり取りをするの
 も、疲れるくらい体が・・・
 だるい。 

 「席に着けーぇー」

 担任が教室に入り、長々と話をしている。 
 こんな話もいつも聞かない。
 今日は余計に聞けない・・・というよりも、
 聞きたくない。

 聞いたら、余計に疲れそうな気がするから・・・

 「なぁ、どんな感じで仲直りしたわけ?」

 優雅が後ろ向いてそう聞いてきた。

 「はぁ?何で教えなきゃいけねぇんだよ」

 「いいじゃねぇーか、ちょっとくらい・・・」

 「むり・・・」
 
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