差別の眼差し



  ・・・


 誰もいない。


 誰もいない。


 静かな空間。


 何も無い、何も無い。


 ここはどこ?


 私はひたすら彷徨う。


「ミラ」


 どこからか私を呼ぶ声が聞こえる。


 どこにいるの?


 返事してよ?


 そう声を出したつもりだったが声にならなかった。


 だけど私は出ない声を懸命に出して言った。


「私を…


 私を置いていかないで…。」
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