桜唄
「一年記念の日と、花火の日。それから今」
……昔の記憶が鮮明に頭に浮かぶ。
「何に謝ってんだよ?いつもいつも、そんなに、つらそうな顔して」
きっとそれは、
律より好きになれないことに。
…あのときも、あのときも。
翠の気持ちに自分が答えられないのがつらくて。
自分がいやで。
罪悪感で。
……律をいつまでも忘れてない自分。
謝って、自分への嫌悪感を消化して、また律への気持ちを隠蔽しようとする。