桜唄


「相変わらず似合うよね」

「何が?」

「ひげのついた変なメガネ」


スタバの抹茶フラペチーノを飲みながら、私は思い出し笑いをした。


「そんな照れるわ~っておい!希衣も似合ってたぞ、あれ、キノコの帽子」


さっき翠がクレーンゲームで、かの有名なスーパーマリオに出てくるキノピオに似せたデザインのでっかい帽子をとったのだ。


「なんであんな帽子とったのよ…だれが使うの」

「え、希衣。あれかぶって毎日登校しろよ」

「翠があのひげメガネ買うならいいよ」

「それはやだ」


翠にはいつも笑わせてもらってる。

付き合ったあの日からずっと。

私を笑わせることばっかり考えて、私を好きにならせようとする。

翠はそんなこと言わないけど、見ればわかった。

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