桜唄


「本当は……律が」
「やっぱ言わないで」



えっ。



翠の言葉によって遮られた私の言葉。


顔をあげると…翠と目が合った。


二重の…きれいな目。

でもどこか寂しそうな光をやどした…目。



「知ってるよ、最初から」



…最初?



「付き合う前から、知ってる」




………付き合う前?


そんなに前から?



気づいてたの…?


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