桜唄
この広場には時計台があるけど、時間は正確ではない。
いつも遅れていた。
その周りで小さな子たちが鬼ごっこをしたりなわとびをしたりして遊んでいる。
「将来、幼稚園の先生も悪くなかったりして」
無邪気な子どもを見ていると、ふっと笑みがこぼれる。
「どれにしようかな…」
自販機の前まで来て、きれいに並ぶ飲み物たちを見て悩む。
今日は暑いから、水にしようかな。
それとも甘酸っぱくはじけるオレンジにしようかな。
優柔不断な私。
さんざん迷ったあげく、『期間限定』とかかれたいちごみるくのボタンを押した。
…そのとき。