桜唄


翠と視線が絡まる。

…ほどけない。


「うん……好きだよ」 


ああ。

まただ。



この言葉を言うたびに罪悪感におそわれる。

私がこれを言うべき相手は、ほんとうに翠なのだろうか。



「ちがうよ希衣」


「え…?」




翠がブランコから立ち上がった。

そしてもうひとつのブランコに座っている私の前まで歩いてきた。




「ちゃんと、好き?」










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