桜唄


「…あれでよかったの?」

「いいわけないでしょ」

「まあ元気だせ、あっははは」


相変わらず漫才でも見たように笑う楓花と、その隣で机に突っ伏して半死状態の私。


茶色の綺麗な髪はサイドでひとつにしばってあり、長い前髪は七三分けで流している。

半袖の制服からのぞく白い綺麗な首筋が日光に当たってまぶしいほどに光っている。


こんなに可愛いのに、笑うときとか全力で女捨ててるし、座るときはあぐらとかがに股になっちゃう楓花。

本当にもったいないと思う。


だけどその飾らない感じが楓花のいいところだし、私も好きなのだ。


「は~…なんか疲れた」

「なにが」

「この今の一連の流れが」

「私はたのしかった。あっははは」

「も~…」

 

まあ…でも。

最初は本当にいやだったけど、こうやってからかわれたり翠とのこと聞かれたりするのも、今はほんのちょっと嬉しかったりする。

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