桜唄


「今年も行きたいなぁ」

私の口から、自然とそんな言葉が出た。

「そうだな」

翠が言う。

「でも今年は受験だよね…」

「…勉強しなきゃ、だよなぁ」

はぁ、と二人でため息をついた。


去年は翠と行ったけど、まだつきあい始めて2ヶ月と少ししか経っていなかった。

だから二人で夏祭りというシチュエーションが私にはとても恥ずかしくてむずかゆくて。

結局伊崎くんと楓花をつれて四人で行ったのだった。


このとき、律が来たのか来なかったのかわからない。

私が翠くんとお祭り行ったこと知ってるのかな。

…まあ、どうでもいいよね、そんなこと。


< 37 / 130 >

この作品をシェア

pagetop