桜唄


続いて、二発目。

三発目。


次々と大きな花火が空いっぱいにはじける。

大木な音が心臓をゆさぶり、体全体に響いた。



「今日地学部が泊まりがけで天体観測やるっていうから」


友だちに早めに屋上あけてくれって頼んだ。


振り返ると、翠が息を切らせながら笑っていた。


「どうせなら空に近いところで見たいじゃん、花火」


「……っ」


「…勉強いそがしいのに、ごめんな。」


最初は照れ笑いをしていたが、唖然として言葉がでない私を見て申し訳無さそうに謝る君。












< 59 / 130 >

この作品をシェア

pagetop