桜唄
続いて、二発目。
三発目。
次々と大きな花火が空いっぱいにはじける。
大木な音が心臓をゆさぶり、体全体に響いた。
「今日地学部が泊まりがけで天体観測やるっていうから」
友だちに早めに屋上あけてくれって頼んだ。
振り返ると、翠が息を切らせながら笑っていた。
「どうせなら空に近いところで見たいじゃん、花火」
「……っ」
「…勉強いそがしいのに、ごめんな。」
最初は照れ笑いをしていたが、唖然として言葉がでない私を見て申し訳無さそうに謝る君。