桜唄
ごまかせない心
夏休みがあけてから2ヶ月近くたった。
季節はすっかり秋。
冷たくなった風が澄み渡る空を吹く。
校庭のわきに並ぶ木々はすっかり紅葉し地面にたくさんの葉を落としていた。
カタン。
「……はぁ」
二時間ぶりにシャーペンを手放す。
ノートの上に投げるようにおいた。
「おわったの?」
隣で楓花が尋ねる。
「うん。あーつかれた」
ぐっとのびをすると首や腰の骨が鳴った。
8月の間猛勉強したかいがあって、入試の過去問を解いていてもある程度点がとれるようになってきた。
楓花は私と同じ麻西を目指している。
最近は放課後の教室に残って、ふたりで勉強していた。