桜唄


最初は律を避けるために麻西を受けることにしたけど。

学校見学に行ったりパンフレットを見
たりしているうちに、この学校の魅力にどんどん惹かれていって。


いつの間にか、本気でここを目指すようになっていた。

今となってはもう律がどこを受けようがどうでもよくなっているほどだった。


律とは廊下で目が合えば普通に話すようになった。

二人だけで話していても私の心は案外冷静で、なんだか失恋を受け止め乗り越えたっていう感じがしていた。


『ふつうの友だち』


そういう風に、律のことをみれるようになっていた。


律が伊崎くんと一緒に帰っているのをよく見るけど、二人は一緒の高校を受けるのだろうか。


伊崎くんは噂で私立の高校からオファーがきてるとか。

そこは陸上が強くて有名だから、律もそこを受けるだろうと勝手に想像していた。

 
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