桜唄


「受かる。ぜったい、受かる」


もう一度、そうつぶやいてから再び問題集に向き合った。




大丈夫。

私だって、強くなれているはず。

前を向けるはず。





…しかし。

この先、私の決心を揺らがすてきごとが起こるなんて。


このときは考えもしなかった。




「…寒」


窓からすきま風が入ってきた。

外は太陽が沈んで、もうすぐ完全下校の時間。





冬が、すぐそこまで来ていた。



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