桜唄
次の日も、その次の日も、私は学校に残って勉強していた。
決してかなわない夢じゃない気がしてきた。
伊崎くんと話せてよかった。
「じゃあー今日私千尋と帰るから!お先」
「あ、うん。またね!」
あれから楓花は伊崎くんとヨリを戻したらしい。
楓花も伊崎くんと同じように未練があったのかもしれない。
…よかった。
微笑ましい。
でもそのせいで私は一人で勉強することがしばしば。
伊崎くんが塾のない日は楓花は伊崎くんと帰っているのだ。