桜唄


「あっいた!律ー!」


………廊下から、聞き慣れない女の子の声。


「あ、ゆめか」


…ゆめか。

律は、下の名前でその子を呼んだ。


「何してるの?帰ろうよっ」

「あ…うん」


走ってきたその子。

…見慣れない子。

ボブカットがよく似合ってる、明るそうな少女だった。


「千尋?」

ゆめかとよばれたその子が教室の中を見た。



…はっ。

目があった。



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