桜唄


もしやり直せるのなら。



そんなことばかり、頭を駆け巡る。


もしやり直せるのなら。

もう自分に嘘ついたりしない。


正直に生きたい。


そうすれば、こんな後悔の涙流すことはないのに。


「…律……っ」



ああ。

もうだめかもしれない。



私は、自分をごまかせない。

翠とはもう…本当にだめかもしれない。








まさかこの泣いている私を翠が見ていたなんて

このときは思ってもみなかった。



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