パパは幼なじみ
「あれ?」
家に着いた私は違和感を感じた。
その理由はすぐに分かった。
「拓人の自転車がある…」
まだ7時前なのに、拓人が帰ってきている。
しかも、知らない自転車が隣に並んでいる。
「誰だろ。同僚とかかな?」
そういう場合って接待しなきゃいけないのかなぁ…ママいないからなぁ…なんて、のんきに考えながら玄関を開けた。
「ただいまー」
あれ、不思議だ。いいにおいがする。拓人が夕飯作ってもてなしてるってこと?
リビングのドアの向こうから、こっちに向かって走ってくる足音がする。
「おかえりなさい」
最近何度も聞いたあの声が、私を出迎えた。