パパは幼なじみ
「お待たせしてすみま……!?」
「ほんと、1回目のチャイムで出るのが常識じゃないの?待たせるなんて失礼にもほどがあるわね」

切ったはずのつながりが、こうも簡単に復活するなんて…高田という人間は思った以上にしつこいらしい。


「つか、なんで舞い戻ってるわけ!?」
「用事が済んでなかったからに決まってるでしょ」
「私には用事なんてないのでお引き取りください」
「なんで急に他人行儀なのよ」

とにかくまた近所に迷惑をかける前に閉めてしまおう。確認もせずにドアを開けたのは痛恨のミスだった。これ以上話なんて…


「用事があるとわざわざ訪ねてきた人を、話も聞かずに門前払いだなんて、女以前に人としてどうかしら」


うっ……


「私、拓人くんの連絡先知ってるし、あなたに入れてもらえなかったって相談しようかな。拓人くんは優しいから、きっと親身になって聞いてくれるだろうなぁ…詳しく、全て」


あ~っ、もうっ!!


「中……入って」
「ありがとう、真奈ちゃん」

わざとらしい笑顔で、高田が玄関にあがった。

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