パパは幼なじみ
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「そんじゃ、行ってくる。」
「いってらっしゃい、あなた。楽しんできてね!」
気持ちがいいくらいの快晴。今日のパパはいつものスーツ姿じゃない。
大好きなつり道具を抱えて玄関をあとにする。
「いってらっしゃい、パパ!!」
「おう!大漁だからな、楽しみにしてろ!!」
「うん!!」
昼が過ぎ、急に雲行きがあやしくなっていく。
「パパ、大丈夫かな?」
「お友達の船って言っていたけど…きっと大丈夫よ…」
窓を打ちつけ始めた雨が不安をあおる。
プルルルル プルルルル プルルルル
突然鳴った電話の音は、恐怖の対象でしかなかった。
「はい、有坂です。はい、はい……えっ…」
ママが受話器を落とした。まだ声が聞こえている受話器を、ママの代わりに耳にあてる。
「あの……」
「有坂慎太郎さん(40)の遺体はこちらで預かっておりますので──」
遺体…?なに…それ。
真っ白になった頭に、受話器から聞こえた声…
「真奈、すまんな。パパ、死んでしまった。でも、真奈なら大丈夫だよな。だって…」
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「そんじゃ、行ってくる。」
「いってらっしゃい、あなた。楽しんできてね!」
気持ちがいいくらいの快晴。今日のパパはいつものスーツ姿じゃない。
大好きなつり道具を抱えて玄関をあとにする。
「いってらっしゃい、パパ!!」
「おう!大漁だからな、楽しみにしてろ!!」
「うん!!」
昼が過ぎ、急に雲行きがあやしくなっていく。
「パパ、大丈夫かな?」
「お友達の船って言っていたけど…きっと大丈夫よ…」
窓を打ちつけ始めた雨が不安をあおる。
プルルルル プルルルル プルルルル
突然鳴った電話の音は、恐怖の対象でしかなかった。
「はい、有坂です。はい、はい……えっ…」
ママが受話器を落とした。まだ声が聞こえている受話器を、ママの代わりに耳にあてる。
「あの……」
「有坂慎太郎さん(40)の遺体はこちらで預かっておりますので──」
遺体…?なに…それ。
真っ白になった頭に、受話器から聞こえた声…
「真奈、すまんな。パパ、死んでしまった。でも、真奈なら大丈夫だよな。だって…」
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