パパは幼なじみ
「疲れた…」

6時32分、学校に着いた。いつもなら20分ほどで着く道が、倍以上の時間はかかった。


生徒玄関はまだ閉まっている。


「ごめんね、迷惑かけちゃって。朝弱いんだ…。」

ようやく目を覚ました徹くんが申し訳なさそうに呟いた。
ほんとだよ…と言いかけて飲みこむ。とりあえず、誰もいなかったのが幸いだ、と思うことにした。

「何であんな朝早くに来てたの?てか、家知ってたんだ。」
「家はありさに聞いたことがあったから。」
「後藤ありさ?そっか、幼なじみなんだもんね。」
「……うん。」

ちょっと返事がつまったことが気になる。

「あの…」
「誰にも知られたくないお願いがあって家に行ったんだ。お願いっ────」


その内容に目…じゃなくて耳を疑った。

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